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牡蠣は固く閉じてますよね。
英語では「口が堅い人」のことを例えて「オイスター」と言ったり、時計で有名なロレックス社は、防水加工が優れていることを表すために、商品のシリーズ名を「オイスター」と名付けたり。
そんな牡蠣は、どうやって固く殻を閉ざしているのか不思議ではないですか?
殻と同じ成分で、上蓋と下のカップ部分の隙間を接着している?
わけではないです。
答えは、上蓋とカップ部分を繋ぎとめているのは貝柱なんです。
他の二枚貝も含めて、貝柱は、貝殻を閉じる働きをする筋肉です。
貝柱の筋肉は自重の何倍もの負荷をかけても、長時間にわたって耐えることができます。
牡蠣は特にその力が強いのです。
なので、焼いたり茹でたりして、身が死んでしまうと、自然に開くわけです。
1日に約300リットルの海水を吸い込み吐き出して栄養分を得ているので、海水を吸いこむときは開きます。
また地上にあげると、適度に呼吸をするため、その時も開きます。
その性質を利用して、フランスのエカイエ(カキ剥き職人)は、たくさんのカキを開けなくてはいけないパーティなどでは、事前にカキに重石をして、生き苦しくなったカキが少し殻を開けてくれるので、その隙間を利用して素早く殻を開けたりします。
また、長時間、この張力を維持していても、貝柱の筋肉はエネルギーを殆んど消費することがありません。
そして、水揚げされると、牡蠣はそれを察知し、生命維持に切り替わるので、成長もとまり、さらに栄養の消費も減るのです。
実は、牡蠣は適当な温度と湿気を含んだ大気中であれば、10日から約2週間程度は生きています。
殻を閉ざして、乾燥から耐え、生き延びることができるのです。
その間は、自身ため込んだ栄養を消費して生き延びるため、最終的には、身の皮(ビニールのような袋)の部分だけになってしまいますが。
なので、オイスターバーなどでならんでいる牡蠣はまだ生きています。
水揚げしても、保管状態がよく、牡蠣が生きていればば、身もそんなに痩せないため、1週間程度は美味しくいただけます。
また、牡蠣は海の味を楽しむ方が多いので、下手に栄養分の少ない水槽などにいれておくと、その水分を吸ってしまって味が変わってしまうだけでなく、水っぽくなってしまうので、箱やディスプレイなどに並べて保管してあるし、それが一番適当なのです。
【Ver.】
2011-10-13改訂
2009-09-05改訂
2008-04-08公開