‪‪ 安全・おいしい・たのしい。いまのカキペディア(牡蠣百科)はその3つのコンセプトに基づいて描かれている。基本的にこれを逸脱することはない。環境をはじめ様々な問題にも触れてはいるが、それは他者からの引用か、この3つのコンセプトの延長線上にすぎない。

そこに12年の月日を経て、新たなコンセプトが加わる。そもそもこの3つのコンセプトも、最初から3つがすべて盛り込まれていたわけではない。

実際に牡蠣について調べ始めたのは2002年の終わりくらいだったろうか。あれからもう15年になる。実際に牡蠣百科(カキペディアの名称になったのは2008年)として牡蛎・・もといカキはじめたのは2005年9月のことだ。

トータル記事数は1000を優に超える。10年として年100篇、3日に1記事のペースだ。なにをしても長続きしない僕がよく持ったもんだ。

カキはじめたキッカケはいろいろとあるのだが、そのひとつが当時の知人だったイタリアンオーナーからの嘆願?だった。そのイタリアンが生牡蠣で食虫毒を出して営業停止となり、客足がぱったりと遠のいた。それを何とかしてほしいという酒の席での他愛ない一言。

人はたのしくないと、おもしろくないと立ち止まってはくれない。少なくとも僕はそう思っている。「食の安全」など、それがいかに正しくとも誰も聞いてはくれないだろうというのが常に頭にあるのだ。

特に牡蠣は、牡蠣自体に問題はなく、汚染海水を濃縮した結果として毒化してしまっているという二段構え。たったワンクッション、そのたった1段階増えるだけ、たったそれだけでも「牡蠣が悪い!牡蠣を食べるな!」でええやんか、と世論はなってしまう(と僕は思っている)。

みんな雑学は好きだ。特にすぐ話題として使えるからだ。芸能ゴシップは相手を選ぶ。となると世代を超える話題は「雑学」となる。その現れとして「トリビアの泉」をはじめとした雑学番組は時代関係なく存在し、ヒットしてるし、当時は雑学王なるものも存在していた。

「牡蠣の食中毒の原因は牡蠣ではなく人間だ」…伝えたかったのはたったこれだけの情報だった。でもそんな与太話には誰も耳をかしてはくれない。そこでまずは「たのしい・おもしろい」牡蠣の雑学を公開するブログをはじめた。これがいまのカキペディアの種となる。これにてまず最初のコンセプト「たのしい」が設定された。

当時から・・どころか牡蠣は何千年もの間、人類創生の頃からすでに市民権を得ているコンテンツ(食材)。にもかかわらず当時「牡蠣」に関するネット上の情報は皆無に等しかった。それも相まって雑学だけでそこそこのアクセスを稼ぎ出すようになる。

そこに少しづつだが「安全」にまつわる記事を織り込んでいった。ここで大きな問題にぶち当たることとなる。「食中毒」だとか「安全」に手を出すということは、そこにエビデンスが必要となってくるのである。ところがそういったことを取り扱っている出典元がほとんどないのだ。まだ牡蠣の食中毒の原因が「ノロウィルス」だとやっと認識されはじめた黎明期だったせいもある。

人は誰がいったか。その情報源によって次に伝えるか否かを考える。つまりは、どこぞの馬の骨ともわからんヤツのいうことなぞ、耳も貸さねば、ましてや伝達などありえへんわけで。

そこで「日本オイスター協会」という「ギリギリもっともらしい」組織を創った。この「ギリギリ」というのがポイントなのだが、それはまた別の話なので別の機会に。

そもそも食中毒を出すのは、加熱が甘い、しっかりと火を通してない牡蠣が主だ。そして欧米で牡蠣=オイスターとえば「殻付き生牡蠣」のこと。

刺身を不思議がっていた彼らだが、牡蠣は紀元前の古代ローマ時代から養殖して食べていた。前述したとおり国内には牡蠣の情報があまりにもなかったのに対し、牡蠣食が当たり前で数千年の歴史を誇る欧米にはたくさんの情報があったのだ。

当時ゲームで稼いだ金で世界を放浪していた僕には、牡蠣の調査行脚は逆に持て余した暇を潰すのにはもってこいだった。そんなこんなで当時は牡蠣の知り合いといえばもっぱら欧米をはじめたとした海外の人たちばかりだったのだ。

その人たちには「Japan Oyster Association」と名乗れば、日本の代表機関のようでもっともらしいし、対して日本国内には「日本オイスター協会」はギリギリその提言を信じてもらえるもっともらしい組織となるという次第。

これにて「牡蠣があぶないのは人間のせい」という情報の信憑性があがり、情報を伝達してもらることも確認できた。となるとあとは拡散方法だが、結局のところ「口コミ」に優る衆知方法はない。そこで世界で一番拡まった宗教にあやかり「伝道師」を育てることにした。そのためにはその軸となる人を集めないといけない。

牡蠣の情報をわざわざ伝道してくれるとしたら、それはたぶんほとんどのところ「牡蠣好き」だろう。そこで本業のゲームクリエイターである能力を活かし「かきクイズゲーム」を創り、それを無料で配布した。さらにはそれをクリアすると「Jr.オイスターマイスター」という資格をもらえますよ、と。これにより候補者とその連絡先が集まるという寸法。

当時ネット上には無料ゲームは少なく、特にケータイにおいては「無料ゲーム」というだけでバカバカダウンロードしてもらえたのだ。さらに「もっともらしく」するために「認定証とバッジ」を配布し、さらには認定料として3000円を徴収した。にも関わらず、予想よりもちゃんとトリガーとして機能し、日本オイスター協会は最終的に1万人を超える会員数を誇る組織へと成長していくこととなる。

こうして「牡蠣の安全」つまりは「牡蠣の食中毒は、牡蠣のせいではなく人間のせい」は拡まっていったのである。そして・・ふと「たのしい・おもしろい」に立ち返る。気難しい話、ネガティブな話だけではしんどいものだ。

そこで「そもそも牡蠣ってなんだ?」ってことになり「そうそう食べ物だ!」と。食い物といえばやっぱり「うまい!おいしい!」でしょ!と。

「百聞は実食にしかず」!「おいしい」をアピールするにはイベントしかない。この頃には会員数1万人を誇るそこそこの組織になってましたからね、たいていのことは実現できるようになってましたよ。

ここであの2011年の大震災が発生し、この組織をつくっていたことがそれなりに役に立つわけですが、それはまたまた話がそれるので別の機会に。

その震災復興も盛り込み、2012年に「かき日本一決定戦」を開祭。メディアでも大きくかつ数多く取り上げられ、優勝した牡蠣生産者は一躍全国区に躍り出る。この活躍をみて牡蠣を志してくれるものも増え・・など、まぁやってよかったな、という様々な効果も生みだしつつ、ここに「おいしい」というコンセプトが追加完了。

これにて晴れて当初予定していた「安全・おいしい・たのしい」というコンセプトがすべて盛り込まれコンプリートされたわけであります。

さてさて、この長い経緯(いきさつ)はそもそも「牡蠣の食中毒の原因は海を人間が汚染したから」というたったひとつの情報を世に伝えたいがためのもの。

実は最初から気が付いていたことあがった…そう・・海が汚染されていなければ「牡蠣は安全でおいしい」ということを。なにせ至極当たり前のことだからだ。

そう、そうなのですよ、賢明な読者諸君。そもそも「海が汚染されてなきゃ、牡蠣があたるとか気にしなくてイイんじゃね?」と。その通り!その通りなのだが・・それを実現するにあたり、その当時の僕は「人類を滅ぼす」しか浮かばなかったのだ。それではせん無い。ゲームクリエイターとしてもつくったゲームをプレイしてくれるプレイヤーがいないと成り立たない。

あれから10余年、ついに新たなコンセプトが追加されるときが来たわけだ。安全・おいしい・たのしい・・そして「願う」!「願」という字には「貝」「頁(ページ)」そして「原点」の「原」の字が含まれている。この「願う」から「護る・治す」に繋がっていくわけだが、それはまだ先の話になる。

かつて日本オイスター協会やオイスターマイスター、かき日本一決定戦がそうだったように、いま手掛けている「セカウマ=世界一うまい牡蠣を創ろう!プロジェクト」がそのコンセプトをカキペディアに内包するブリッジとなる。

「世界一うまい牡蠣を食べてみたい」と願うことは「キレイでおいしい海を護りたい!取り戻したい!」と同義語なのだ。そのスタートとしての「かきおいしい は うみおいしい」というメッセージ。この2年、数多くのイベントや大学をはじめとした学校などでの講演などで、それを伝えてきた。

参加者はきっとわずかでも「海を大切にしよう」と思ってくれたに違いない。そして近い将来、セカウマは環境デザインにおける最高傑作のひとつと成っていく。

カキペディアは、読み物としてたのしいだけでなく、何万人もの牡蠣好きを生み出し、そこからたくさんの牡蠣に従事する兵(つわもの)を輩出した。牡蠣のクオリティや牡蠣文化の向上にも多少なりとも貢献できたと思っている。

「ペンは剣よりも強し」・・「願う」・・このコンセプトがカキペディアに内包されることが、前人未到、人類初となる「完全循環」する「自然と人類との共存共栄」への第一歩となる!と・・願いたい。

ここに至るまで本当に本当にたくさんの人に多大な迷惑をかけてきた。もはやあやまって済むレベルは当の昔に超えてしまった。最後までやりきる、成し遂げる以外、誰ひとり報われないのだ。

そんな壮大な思いを込めて次なるステージのスタートを切った第1弾の記事がこれ・・コレ?コレなの??となるかもしれない。。↓
でもね、なにはともあれまずはとにかく立ち止まってもらうこと。それからなのだよ、ワトソンくん・・

長文、御清聴感謝
KakiOySea!c(∞)v

2017年4月22日
カキペディア編集長
サトウゲン

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2017-04-22