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カキさら・・そう、皆さんにとってはただの一皿かもしれない。ただのランチであり夕飯かもしれない。でも創り手の角度からみたらどうだろう?そこに秘められた物語が、その一皿をさらに楽しく美味しくしてくれるかもしれませんよ。

バチバチっ!バチバチっ!

元気で小気味いい線香花火のような音とともに、ゑもいわれぬ胡麻油の香ばしくも芳しい薫りがあたりを包む。

塵ばめられたネギの緑がより一層の彩りを添える。何度繰り返しても湧き起こる「ほぉ」という歓声。

もとはといえば殻付き生牡蠣だ。灼熱の胡麻油をまぶそうとも、相まって待たずともすぐに手にできる。

おもむろにひとつ取り上げ、口に放り込む…そこに待っていたのは…「くぅ」と声が漏れた。

気が付くと殻に残ったエキスを最後の一滴まですすってしまっていた…

胡麻油?ネギ?せっかくの牡蠣の味が消えちゃうんぢゃないの?

牡蠣の味は大きく分けて3つの要素で成り立っている。牡蠣本来の味・海の味・クリーミーさ

たしかにその通り。ネギも胡麻油も、そもそも生臭さをマスキングしてくれる代わりにせっかくの淡い味わいなどの旨味までマスキングしてしまう。

用意したセカウマな牡蠣は生臭さなんて微塵もない。その味わいが台無しになってしまう・・!?

安心してください、この牡蠣は特別製

この牡蠣の開発者は、先日(2016年6月22日付)で新たにセカウマ(世界一うまい牡蠣を創ろう!プロジェクト)の開発者となった鎌島典子さんによるプロトタイプ(試作品)。

どんな牡蠣かというと「敢えて痩せさせる」ことで「牡蠣の味」と「海の味」を最大限引き出している牡蠣といえば伝わるだろうか。

痩せさせるとは云ってもちゃんと牡蠣の原型をしっかりととどめさせ、グリコーゲン(クリーミーな成分ね)だけを絞った状態にする。それも適度に。

ちなみにフランスではクリーミーだとシャンパーニュやワインに合わないとされ、主にそういった牡蠣が好まれる。具合でいうとこんな感じ。

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フランスの最高級ブランドのひとつ|牡蠣の人といくフランス牡蠣デミックツアーより

事の発端は、たまたまちょうどよく(自然に)痩せていたのを視察で視つけた

そもそもこの鎌島典子さんの持つ赤穂坂越の漁場は、塩分濃度が高めで、上品な昆布ダシのような味わいが特徴の海。

地理的条件が奇跡的に殻みあい他の漁場のように瀬戸内海の汚染の影響を受けにくく、臭くない。人の立ち入ることが許されていない神社島のご加護か!?

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視察風景。この写真に写ってるアンニュイな感じの女性が典子さん。かき速あけ日本代表で世界大会にも行く凄腕の持ち主だったりもする

基本的には、日本人が好む太った牡蠣を本当に上手に育てることができる日本を代表する生産者だ。

当然、視つけたこの牡蠣群も、身の入ってないものは選り分けて使っているという。

いやいや大事なのは、育てるのがヘタクソで太ってたり痩せてたり、カタチがランダムだったりしないということ。

「意図的」かつ「均一」に「敢えて痩せさせてる」といえるかどうか。

典子さんは不安がる、、「痩せてる牡蠣でも大丈夫なん?」(時期的なもの)と。

いえいえ、逆ですよ、クリーミーだと、せっかくの・・
☞≪ 後篇に続く

ver.2016-07-01