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牡蠣の人の説明に熱心に耳を傾ける ステファン・アリューム氏(左)

Stephan Allurme/ブルターニュ最大(フランス第2位)の牡蠣生産会社「Kerber」代表。世界70ヶ国に出荷。その牡蠣はお隣の香港で1個1500円で販売されているほどのクオリティを誇る。1970年代より続く牡蠣の赤ちゃんが死滅する病気に対策する政府のチームの主要メンバーでもある。
  
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牡蠣は、有明海種保全研究センター(開発者:海男)が提供

有明海には世界中に分布するほとんどの牡蠣の「品種」が存在する。

このうちのシカメガキがベースとなった「クマモトオイスター」がアメリカで人気となっているため、アリューム氏も「Ariake Sea」の存在は知っていた。

が、様々な理由で昨年の11月まで一切市場に出まわっていなかったため、ここまでいろんな品種が存在することを知る由もない。

特に、フランスでもっとも愛されている地牡蠣「ヨーロッパヒラガキ」に似ている「スミノエ」や「黒かき丸」には興味深深。

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上の写真の手前の牡蠣がヨーロッパヒラガキ(ブロン)

そもそもこのヨーロッパヒラガキが1970年代前後に絶滅の危機に瀕したために、唯一その病気に打ち勝つことができた日本の真牡蠣(マガキ)がフランスで養殖されるようになった。

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「世界的価値のある有明海を保全したい!」

そういった思いから、有明海の様々な品種の牡蠣をゼロから養殖している梅津聡氏(写真左)。

世界的価値がある牡蠣たちがいることをみんな知ってもらうために食用として養殖をはじめた。

有明海がそのままお金になることを証明するために、高値のつくオイスターバー市場に出荷できるハイクオリティな牡蠣養殖を実践。

そもそも有明海は干潟。牡蠣はそもそもが干潟の生物。だからこその多種多様な牡蠣。そのニーズがあるのはオイスターバー市場(高級殻付き活牡蠣市場)。

さらには大量生産の弊害もある。それでは保全にならない。適正な生産量で充分な売上をあげることができる。

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ステファン氏の25haにも及ぶ干潟漁場を視察。このカンカルエリア(フランス)の総漁場面積は400ha。

まだ殻付きにおいてはフランスに及ばない。だからいろいろ教えてあげたい・・あきらかにそういった態度だった。実際にそうなのだから仕方がない。

が、そこは互いにプロフェッショナル。海男の牡蠣が箱から出された瞬間から、アリューム氏の態度が一変する。

牡蠣開発者 梅津聡。その情熱はもとより、もともと海中作業を主とした建設業を営んでおり、そのノウハウを駆使するという新機軸を打ち出し、すでに世界で活躍するアリューム氏も唸るレベルの牡蠣を生み出している。

国境を越えようが、人種が違おうが、結局は牡蠣のプロ中のプロ同士。互いに牡蠣を見せ合うだけで「このレベルの牡蠣を創れる」という信頼関係が生まれる

これはとても大事なことで、こういった世界のトップも唸る牡蠣ができるまでは、僕もうかつには動けなかった。私設使節団とはいえ日本代表、僕の立場がゆえに国の威信がかかってるからね。 

「早速、検証を行うよう科学者に打診したい。残りの牡蠣をすべてもらっても構わないか?」

今回は我が社および支援者の「私費」による「非公式の訪問」であることを、あらためて強調。こういうことは国同志の公式プロジェクトとして行わないといけない。なにせ「種」を移動させることは様々な問題を孕むからだ。

もし正式に検証を行いたい場合は、フランス政府より正式にオファーをする、とアリューム氏。

前述したとおり、アリューム氏はフランスを苦しめている「牡蠣の赤ちゃんが死んでしまう病気」の打開策を模索している政府チームの主要メンバー。興奮するのも無理はない。

結果として、病気には打ち勝てないかもしれない。だが、こういった国境を超えた関係「カキズナ(牡蠣絆)」を築けるのが牡蠣の素晴らしさだ。

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