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其の壱|ヨーロッパヒラガキ|2000年以上欧米で愛され続けてきた品種がこれだ!

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ヨーロッパの牡蠣養殖の歴史は2000年以上も前にさかのぼる。

古代ローマ軍が遠征する際の兵士の食糧確保からはじまり、美食として発展し(2000年以上前の)ローマにはすでにオイスターバーもあった。

日本の牡蠣養殖の歴史は400年程度だ。

つまりはそんなに古くから「オイスター(殻付き生牡蠣)」は欧米で親しまれてきたのである。日本人が(お刺身)生で魚を食べることを不思議がっていた彼らも、実は牡蠣だけは例外だったのである。

そして、そんなヨーロッパで棲息していたのは、実はこのヨーロッパヒラガキなのだ。有名なブランドは「ブロン|Belon」これね↓

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アイルランドにいるヨーロッパヒラガキをベースに市場の1%ほど復活

近代ではフランスを中心に養殖され、ヨーロッパ、そして世界中で愛されてきた。

ところが、そんなヨーロッパヒラガキ(ブロンなど)も1970年頃に絶滅してしまい、いまではアイルランドに生き残ったヒラガキをベースに相互行き来しながら、市場の1%ほど復活している貴重な牡蠣になってしまった。

もともとマガキほど増えず、生命力も強くなく、さらには干潟で育てる分、育成時間や手間もかかるので、高値の牡蠣ではあった。

そこにさらに絶滅事件で拍車がかかり、現在、本場パリでも圧倒的に高値で提供されていて、お隣の香港や台湾では1個¥1500程度は当たり前の最高級品となってしまった(諸般の事情で現在、日本には輸入されていない)

少し特徴を語っていこう。

牡蠣はそもそもが干潟の生き物

干潟が牡蠣にとって一番の理想であり安息の地。ヨーロッパヒラガキはその干潟を代表する牡蠣のひとつでもある。

ヒラガキっていうくらいで、非常に平べったい。干潟に露出しても鳥などに捕食されにくいように薄く、干満交互にゆっくり育つことから殻は非常に硬い。

一度張り付いたら自力で二度と動けない牡蠣は、干潟で育つ牡蠣は、薄くなるか小さくなるかして、捕食を免れるよう進化したわけだ。

干満交互云々というのは、つまりは干潟は約半分は陽にさらされるので成長は止まる。また海水が戻ってきたら成長する。この繰り返しが殻の成長をゆっくりにし、ワンターンの殻が厚くなるのである。

結果として殻の防御力があがり捕食されにくくなるのだから自然っておもしろい。

そして、特筆すべきはその独特の食感と味わいだ

一番の特徴はあまり太らないということ。そう、皆さんの知っている牡蠣、つまりは日本そして世界の市場の80%以上占める日本由来の真牡蠣(マガキ)種とは異なるということである。

マガキはエサや環境にもよるが、太らせやすい。俗にいうクリーミーというヤツだ。でもこの牡蠣はそのクリーミーさがないとおもってほしい。

その分「牡蠣の味」と「潮(塩)の味」がより引き立ち単体でたべるとお酒でも呑まないといられない仕様となっている。

そして、牡蠣は亜鉛を豊富に含むのだが、その味(=鉄っぽい)も強い。鉄に塩・・バンパイアご用達か?ってくらいまさに「血の味」に近いのだ。

加えて、干潟で鍛えられた独特の食感。ゴムのような弾力と、コリコリとした歯ごたえと。それも干満の差が生み出すコントラスト。陽にあたってるときに乾燥しないように「皮膚」ができていくのである。

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この一見すると、うまいのか?って牡蠣なのである。そう実際に、これを単体で食べると「ん???んんん??」となる・・

ところが、そのこいつが口にある間にシャンパーニュを流し込むとどうだろう!

つまりは数百年、下手すると数千年、この牡蠣をベースにシャンパーニュ含む様々なワインが醸造されていったわけで、太った牡蠣がベースではないのである。

其の弐|ヴァージニカ(種)|アメリカが開拓できたのはこの牡蠣のおかげといっても過言ではない

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via.なぜ、ニューヨークはもう一度牡蠣の産地になるべきなのか

ヨーロッパからの開拓者がニューヨーク、マンハッタン島を拠点に選んだ理由、それは「牡蠣があった」から

古代ローマの時代から、まずはなによりも食糧を確保するという戦略が脈々と根付き、飛行機のない当時、船で進軍していく彼らは上陸したらすぐに確保できる貝類、特に牡蠣を主軸に栄養を確保し開拓していったのである。

当時のマンハッタン島はまさに広大な砂州(干潟)にある島で、ずっと牡蠣の産地として1900年代のはじめごろまで有名だった。その頃から汚染がひどく、マンハッタン島の牡蠣は食用ではなくなってしまうのだが。

とはいえ「ニューヨークといえば牡蠣、牡蠣と云えばニューヨーク」という文化は深く根付き、まだ海がキレイなエリアから牡蠣をマンハッタンまで運ぶようになる。そのいろんな地域の牡蠣たちが集まったのがグランドセントラルステーションで、どうせならそのまま駅で出してしまおうと始まったのがあの有名な「グランドセントラルオイスターバー」だ。

ニューヨークの歴史を描いた映画「ギャング・オブ・ニューヨーク」での一幕でもオイスターの屋台がでてくるくらいメジャーな食べ物↓
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via.なぜ、ニューヨークはもう一度牡蠣の産地になるべきなのか 

牡蠣で精力を付け、女を抱きに行く。それがニューヨークという街だった(だからニューヨークを漢字で書くと「ヒモを育てる」・・紐育なのか・・冗談ですw)。牡蠣が無くなると数多あった売春宿が商売あがったりになるといわれたくらいだ。

おいしいだけでなく、兵士の食糧としての歴史を重ねた欧米では、戦うための食べ物!元気食材として認識されている。そのあたりはどうやら世界共通らしい。
かの007もボンドガールを相手する前にはシャンパーニュだけでなく牡蠣も頼む。時にはボンドガール自身が「牡蠣もあるわよ」と誘うことも(ユア・アイズ・オンリーより)
アメリカの東海岸は、このヴァージニカがメインの牡蠣。先ほどのヨーロッパと同じく、マガキがメジャーではなかったのだ。

有名なブランドは「ブルーポイント」。日本にも輸入されているのでオイスターバーで食べたことがある人も結構いるのではないだろうか。

味や食感の特徴に関しては、ヨーロッパヒラガキのそれとよく似ている。

そして、御多分に漏れず、この牡蠣をベースに様々なマリアージュや牡蠣食文化が構成されていっただけだ。

しかし、人類の発展にここまで深く牡蠣がかかわっていようとは。

其の参|スミノエ|日本にもあるのだよ、ワトソンくん!

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有明海にスミノエ種という牡蠣が存在する。

なぜ流通していなかったのか?それは簡単に言えば前述のとおり、太っていないから。味わいが独特だから。

日本人の理想は長きにわたり岩牡蠣であった。岩牡蠣とは、日本にしかいない日本オリジナルの牡蠣で、夏牡蠣といわれ愛され、夏場の産卵期の太っている状態をさし、天然採取が主で、年数も3年以上たった大きなものだけ市場にだされていた。

(ヨーロッパ人にとってのそれはヒラガキであり、北米人にとってはヴァージニカ。)

そんな岩牡蠣理想主義の中で、結果としてスミノエ種は地元でだけ消費される。有明海の一部、干潟を擁するエリアの人たちだけが食べていたわけだ。

それをこの男が、ちゃんと製品として養殖に成功し、昨年秋から試験的に出荷、2016年11月11日に正式に出荷と相成った(写真、右)↓

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つまりは日本でも国産のそれを今年から食べることができるようになったのだ!

この男の名は梅津サトシ。僕も思わずセカウマ認定(かき開発者)してしまうほどの凄腕の生産者だ。しかもたった5年で日本のトップ3に入るといわれるまで登りつめた(その秘密はながくなるのでまたあらためて記事にしたい)。

このスミノエ種を「セッカ(地元で牡蠣をあらわす)」と名付け、このほど出荷するわけだが、いまではアメリカの牡蠣として有名になった「シカメ」とあわせ、長い日本の牡蠣の歴史のなかで、はじめてマガキと岩牡蠣以外の牡蠣を市場に流通させたわけである。

どれだけ凄い生産者かは、最近のこの沖縄での活躍や、フランスでの活躍をみてもらえればなにかしら伝わるかもしれない。

セッカ(スミノエ種)のすごいところはそれだけではない

有明海の干潟の生態系を再生させる要としても活躍しているのだ。梅津サトシがセッカを養殖するにあたり、このスミノエが苗床となって牡蠣をはじめとした干潟生態系を回復させていくのである。

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生物は白いものに集まる習性があり、色白のスミノエには集まりやすい。それに干潟育ちならではのしっかりとした殻は干潟に根付き他の生態系を支える苗床としては最適なのである。

これにより全盛期にくらべ3割ほどまで減少していた牡蠣も少しづつだが増え始めている。そう牡蠣はおいしいだけでなく海を取り戻してもくれるのだ。あなたが食べれば食べるほど海がよくなる!スバラシー!

そんなすごい牡蠣「セッカ」は2016年11月11日以降、お取り寄せ、もしくは以下のセカウマ取扱店で食べることができる↓
【一覧】牡蠣が安全で美味しいお店【厳選】カキペディア編集長

百聞は実食にしかず

フランスの有名シャンパーニュのローラン・ぺリエのアンバサダー、そしてエイトの醸造家も大絶賛!
「これだ!これなんだよ、僕らフランス人がシャンパーニュに合うといっている牡蠣は!日本にはないと思っていたよ」

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いままで食べたことがないであろう独特の食感と味わい。ハマる人は「どハマり」する。それは歴史が証明している。

輸入物はどうしても味が変わったり落ちたりしちゃいますからね。純国産の誕生。これでやっと究極の #カキシャン が日本でも楽しめるわけです。

セッカく食べられるようになったわけだから、騙されたと思って一生に一回は食べてみてほしい。この記事を思い出しながら・・できれば、シャンパーニュとともに味わってみてほしい。

各店舗には、それぞれ牡蠣のプロがいて、生牡蠣パンバターなど一番おいしい食べ方を指南してくれるから安心されたし。

※「セッカ」は2016年11月11日以降、お取り寄せ、もしくは以下のセカウマ取扱店で食べることができます↓
【一覧】牡蠣が安全で美味しいお店【厳選】カキペディア編集長

セッカ(データ)

品種:スミノエ種
シード:天然採苗(佐賀県太良干潟)
産地:佐賀県太良町干潟
出荷地:佐賀県太良町干潟
開発者:梅津サトシ(セカウマ認定かき開発者)

由来:地元で牡蠣という意味

特徴:世界三大シャンパーニュに合う牡蠣のひとつ

セカウマ認定ランク:プロトタイプ
牡蠣の人ポイント:55点

理由:
まだまだ発展途上。シングルシード化がもっと進み、育成方法などをもっとコントロールできるようになれば、デザイン、サイズともに安定し、当然、身入りも安定、味や食感も安定するだろう。梅津サトシは黒かき丸という完成形に近いものも開発したが、いかんせん先に先に行き過ぎた一品だった。本来白いスミノエの黒いものを集めてつくった。丸く仕上げ、デザインにおいては世界の市場でも価値のある出来栄えだった。ただ色へのこだわりがアダになった。基本白いスミノエはやはり白いものが強いのだ。なので、この白いスミノエをベースに丸く仕上げれば、セッカはセカウマ級認定まちがいなし、牡蠣の人ポイントも80点以上は確実だ。つまりは現時点で、味や食感は申し分ないのである。そういった発展は、有明海のセンター設立などもっともっと投資が必要になる部分だ。さらなるセカウマファンの応援(食べて)が必要不可欠なので、プロトタイプとして認定にいたった。

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