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あまり知られていないが、牡蠣を殻付き”生牡蠣”で食べるオイスターバーのようなスタイルは古代ローマが発祥で、欧米のほうがその歴史は長く、その文化も発展し浸透している。

その欧米を中心とした牡蠣先進国をみると、主要となっているのは、その国で昔から愛されてきた地牡蠣(在来種)。

アメリカのヴァージニカ(東海岸中心)、オリンピア(西海岸中心)。フランスのブロン(ヨーロッパヒラガキ)、オーストラリアのシドニーロックなど。

これらは古来からその地域に存在し、愛されている牡蠣。日本のそれにあたるのが、真ガキであり、岩ガキ。

なので、一番愛されていて当然であり、日本の牡蠣食文化は、市場で一番高値の付く「夏場の岩ガキ」の価値観に基づく。それは「大きくて太っている」ということ。

七変化が可能な「真ガキ」は、日本ではその岩牡蠣に寄せられて生産されているのが主。

この日本の真ガキ”だけ”が世界的に見ても圧倒的に「繁殖力・成長力・生命力」が強く、各国へ渡り、その国で一番愛されている在来種の牡蠣に寄せて(似せて)生産されようとされ、新たなデザインの牡蠣として生まれ変わり、いまでは、世界の市場の8割以上がこの「日本マガキ」の子孫という統計データ(FAO世界食糧統計)がでている。

前置きが長くなったが、大きくて太った牡蠣がたっとばれてきた日本において、小型の品種は流通してこなかったということを伝えたいのだ。

実は、日本は九州の有明海にだけ、先述した世界中のほぼほぼの品種がいるのである。つまり、日本だけ、純国産であらゆる品種を流通させることが可能なのである。それは世界でも類をみない内海かつ干潟であることに所以する。

ここの数年、欧米同様に牡蠣あけ師も仕事として成り立つようになり、その中心にいる資格者たちオイスターマイスターの尽力により、すべてを一口で味わえる「一口サイズの牡蠣」が人気を得るようになってきている。

大きいと貝柱などの部位ごとにバラバラに食べることとなり、本当の牡蠣の味を味わえないという理由で、一口サイズが愛されているのだ。

そういったステージ(土壌)が形成され、ついに、日本でも小型の純国産種が全国流通するに至った。

その品種名は「おとふせ


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真ガキの先につく有明海特有の地牡蠣(在来種)

全国流通に成功したのは、有明海は太良町大浦に拠点を構える牡蠣生産者、梅津聡 率いる「海男(社名)」。

2015年12月10日に、クラウドファンディングのリターンとして、北海道から沖縄まで出荷された。

真ガキや岩ガキ以外の牡蠣が全国流通するのは史上初となる


実は、おとふせと同様に有明海の地牡蠣(在来種)である「シカメガキ」は、第2次大戦直後にアメリカに渡り、全米どころか北米No.1の牡蠣として君臨している。いまでは、アメリカで生産され、アメリカ産の牡蠣になっている。

このシカメガキとおとふせは、身の特徴は殻から出してしまうと区別がつきにくい。味はおとふせの方が、さらに甘味が強いと筆者は感じている(味覚は人それぞれのため私見を述べさせていただいた)。

(左がおとふせ、右がシカメガキ)
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海男は、これ以外にも、有明海の地牡蠣を生産すべく日々奮闘を続けている。

有明海(九州)は世界でほかにはない、あらゆる品種が棲息する奇跡の海。この世界に誇る取り組みがさらに充実していくよう願ってやまない。

それは人類の未来への布石となる。そのままの自然が経済活動を生むことは、人類と自然との共存共栄の一助にも繋がるからだ。

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